アボジナルアートのような魅力
ことのほか面白かった、2023年3月15日まで玉野市で開催されている「瀬戸内ゴミンナ~レ!!」。玉野市役所そばの旧消防署のたてもの1F~3F。色とりどりのゴミ(アート作品50点ほど)が展示されています。
1F駐車場(エントランス)で、全員の検温と代表者氏名の記入をすませて。
※カメラOKでした。
ゴミが敷き詰められたボードから、水が流れ落ちていたり(循環しています)。
出川晋さん作。
窓から差し込む光が、プラスチックや布を透き通らせたり。カラフル空間。
人工物✖自然物。アボリジナルアート(オーストラリア原住民アート)のような。なんだか不思議な存在感をかもしています。
吉田一郎さん作。
「おおびとさん」をつくり続ける人。徳島県の方のようです。個展あったら行きたい。
〈招集された5名の現代アーティストたち→2週間泊まり込み→瀬戸内海を漂ったろうゴミを拾い集める〉という壮大な前振り。ゴミの好みが被って取り合いにならないだろうか・・と、心配する主催者。一連の流れごと楽しい。
クラゲに見立てた傘。実際に持っても良い傘も用意されていて、作品と一体化。
あやおさん作。
「路上のごみの顔を描く」まではまだ、なるほど。そしてそのごみを「そのまま放置する」ということに驚き。しかもそのごみはここ玉野市内で見つけられるという衝撃。
探しに行きたい。みつけたい。なんてアバンギャルド。何とも言えない表情。
ミシオさん作。
旧消防署らしく!?至る所に名残が。消化器やなんやら備品から照明のスイッチに至るまで、アソビゴコロ詰まってます。
今は何時代なんだっけ。と、時の感覚がマヒするような。堅苦しさが全くなく、とっても自由なスペースなので、お子さんのアート体験にもぴったりだと思います。小さな子どもさん連れのご家族も多く来られていました。
「水や緑茶のボトル飲料が売られる事など無いと思っていました」
本当にその通りです!1980年代。まさかお金を出して水を買う時代が来るなんて、信じられなかった世代です。
リアルに雨漏りがする一室には、市民参加のワークショップの作品33点も。タイトル。感性。じわじわきます。
やはり「プラスチックを洗う」という工程が一番大変なようです。今回拾った漂流物は、京大研究チーム開発のPicSea(ピクシー)という海洋ゴミ調査アプリを使って、データ収集もされたとか。探して、撮って、拾って、洗って。きっと干すも大事で。捨てるのは簡単だけど、集めるのは何倍ものパワーが必要。ですね。
仏さまin1階駐車場。全長約16m。浮きを17個使用。海の方を眺めながら入滅されています。背後から見るとより宇宙(哀愁)を感じられます。「ホワイトニルバーナ」。
この企画展の制作総指揮・淀川テクニック(柴田英昭)さん作。真庭出身の方だったのですね。以前宇野駅前にあった「真庭のシシ」のナゾが解けました。2023年3月現在は真庭市の久世エスパスランドへ里帰りしているようです。
淀川テクニックさんといえば「宇野のチヌ」。写真は滑り台付き「コチヌ」です。宇野港でご健在です。かなり色あせているなあと思っていたら、2023瀬戸内芸術祭に合わせて3月14日頃までにお色直しだそう。
気分が沈んだり。何をやっても変わらないと思うことも日々あると思いますが。ゴミのことも然り。やってみたらキモチがすっきりしたり。色んな事が見えてきたり。するのかなと、思える展覧会でした。
玉野市旧消防庁舎
岡山県玉野市宇野1-27-1(玉野市役所となり)
電車→JR岡山駅~宇野みなと線52分 宇野駅下車
徒歩→JR宇野駅~1km 15分
バス→JR岡山駅または宇野駅~両備バス 玉野市役所前下車